外反母趾の靴選び、ヒールでも足を痛めない方法とは

長年ドイツの靴加工のお店でコンフォートシューズからおしゃれ靴、トレーニングシューズなど幅広い靴のフィッティングをしてきた経験から、外反母趾にいい靴の選び方とヒールを履いても足を痛めない方法をご紹介したいと思います。

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外反母趾にいい靴の選び方

外反母趾になっている人は足裏のバランスが崩れている方がほとんどなので靴とインソールで機能を補ってあげると歩行のサポートになるので体にもいい影響があります。

具体的には、次の4つが大事です。

  1. 踵がしっかりしていて足首が内側や外側にぐらつかない。
  2. 本来なら足裏は三脚のようにバランスをとりますが外反母趾の方は二脚に近くなってしまい足首がぐらつきやすくなっている。


  3. 外反母趾で飛び出た足の前の部分を圧迫しない
  4. この部分が窮屈だと痛みが出てしまいます。


  5. つま先にゆとりを持つ
  6. 具体的な目安はつま先の先端から、男性は約1.5㎝前後、女性は1㎝前後が理想ですが足幅や形によって個人差があります。


  7. 足が靴の中で前後に動かない靴を選ぶ
  8. つま先にゆとりを持っても足が靴の中で動いてしまっては意味がありません。指先は少し動かせるくらいが理想です。



上記の条件になるべく合う靴を見つけることが外反母趾の方には有効です。それゆえ足の形によっておすすめする靴もかわってきます。

外反母趾になってしまう理由と良くない靴

外反母趾になってしまう理由のほとんどは、ヒールの靴が原因です。

なぜならば、上記で説明した①~③が守られておらず足にダメージを与えてしまった事が原因になっていることが多いからです。



ヒールを履いた足をイメージしていただくとわかりやすいですが、

  • つま先から甲にかけてが反りかえってしまっている
  • 親指から小指にかけても横にひろがってしまっている
  • この状態でつま先だけ細くなる
  • ヒールの構造上つま先に重心がのってしまう



この状態で長時間靴を履いてしまうことによって、足の前の部分をつなげているじん帯を痛めてしまい外反母趾になる原因になります。

外反母趾は治るの?

外反母趾は今のところ手術以外に治るというはっきりとした方法はないです。そのため現在では保存療法という現状維持をする方法が一般的です。



なぜ改善が難しいかというと足の筋肉と関節はじん帯と呼ばれるゴムバンドのようなようなものでつながっていて、このじん帯はゴムと同じで伸縮しますが、負荷がかか伸りすぎて伸びてしまったら交換しないかぎりそのままの状態で保持されるからです。



ただし、痛みが出ている時はじん帯が伸びて炎症している時なので、伸びきる前に痛い靴を履くのをやめてサポーターなどで元の足の状態を保ちつつできれば安静に痛みが治まるのを待てば外反母趾が進むのを防ぐことができます。

外反母趾になりずらい人の特徴

靴のフィッティングをしているとヒールをつねに履いていても、まったく外反母趾にならない方もいらっしゃいます。ではそのような方の足の特徴を紹介すると、

  • 足に筋肉がついていて、握った時にがっしりしている
  • 甲高な方
  • 足裏が偏平足傾向の方

このような特徴や傾向があります。またその反対で足が柔らかく甲が薄く、凹足傾向の特徴がある足の方は外反母趾になりやすい傾向にあります。それぞれに理由があるのですが、別の機会に加筆したいとおもいます。

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ヒールでも足を痛めない方法

外反母趾を防ぐためには前足に負担をかけない靴を履くことが一番なのですが、女性ならばヒールの靴、履きたいですよね。そんなことはないという方でも、仕事などで履かなければならない方もたくさんいらっしゃいます。

そこでどうすればおしゃれな靴を足に負担をかけずに履くことができるのかを考えてきた経験上、足を痛めずにヒールを履くためには以下の方法がベストです。



◆一番大切な事は靴を履いた時の立ち姿勢です。

日本人は猫背の人が多いですが実は外反母趾にも大きく影響します。猫背の人はつま先で歩いている方が大変多いです。つま先に重心(体重)が必要以上に乗ってしまうと足幅が広がる原因になります。心当たりがある方は、立った状態で踵に体重を乗せてみて下さい。自然に背筋が伸びあがります。

理想の重心バランスは踵に60%、前足右側20%(母趾球)、前足左側20%(小趾球)です。

◆歩く時の歩幅は小さめに

歩幅が小さいほうがいい理由は、その方が踵に重心(体重)が乗りやすく前足に負担をかけずに歩けるからです。大股になればなるほど走れば走るほど足裏の面を広く使わなければいけないので、ヒールでその動きをするとフラットシューズより、より強く前足に負担がかかってしまいます。

そのような理由のから、ヒールを履きこなすコツは歩き方と姿勢が大事になります。

◆膝をなるべく曲げないで歩く

よくモデルさんが”ウエストからが脚”と意識して歩いているようですが、実は外反母趾にもいいのです。脚ではなく腰から前に出るように歩くとあら不思議、踵に重心(体重)がのりやすくなります。

◆船底靴を知っていますか?

最近靴底が船底のようになっている靴が販売されているのをご存知ですか?ヒールの靴は踵にかけて上がっていますが、船底靴は履いて立つと土踏まずが持ち上がり、踵にかけてさがります。

この靴で歩くことで足裏がマッサージされているような感覚になり、血行も良くなりますし、踵が下がる事で姿勢がよくなり肩がひらきます。そして一番の効果は上記のヒールでも足を痛めない方法の3つをトレーニングすることができます。

筆者はそれまでは、外反母趾になるのが怖くてヒールはなるべく履かないようにしてきましたが、踵をうまく使って歩くことに慣れてきたころから少しづづヒールをはくようになってきました。



いまでは、友達とランチや買い物など負担のないお出かけならヒールで行ったりします。

もちろんどちらが楽かと聞かれれば、コンフォートシューズのほうが楽ですが、ヒールの靴を履いても、履いてない時のようにきちんと踵に重心(体重)が乗っていれば前足に負担はかからないのです。



ちなみに私が履いている船底靴は世界で初めて船底靴を売り出したMBTというシューズですが、最近ではさまざまなメーカーが船底靴を出しています。クッションや沈み込みの良さはさまざまなようですが、販売店で購入すると、歩き方を教えてもらえるのでよりうまく履きこなせるようになりますよ。



まとめ
以上がヒールでも足を痛めない方法でした。足と靴で悩まれてる方のお役に立てればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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